夏に流行る病気って?
三大感染症ってなに?
私たち保育者は日々子どもの健康観察をすることもお仕事の一つ。子どもの様子を見てお迎え要請をお願いする保育園さんもいらっしゃいますよね。
夏は三大感染症と言われている流行しやすい感染症があるのをご存知ですか?
よく耳にする手足口病、ヘルパンギーナ、プール熱が夏に流行するといわれています。
今回は、夏に保育園でも流行りやすい三大感染症についてお伝えしていきます。
・夏に保育園でも流行りやすい三大感染症
・三代感染症の症状や潜伏期間
・三代感染症にかかったら登園はどうなる?
夏に保育園でも流行りやすい三大感染症とは?
夏に保育園でも流行りやすい三大感染症とはなんでしょうか?
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、三大感染症は
手足口病
ヘルパンギーナ
プール熱
です。ここからは一つずつ簡単な説明をしていきます。
手足口病
【症状】
手のひらや口、膝やおしりにぶつぶつ(水疱)ができる感染症の一つです。子どもは発熱や喉の痛みが発症したり皮膚の発疹が出ます。主に発熱や喉の痛みから始まり、後で発疹が出ることが多いです。
感染してから3〜6日後にぶつぶつ(水疱)などの発疹が出始めます。発熱しても高熱になる可能性は低く、発疹も数日でおさまります。
5歳以下の子どもがかかることが多く、夏に流行する感染症です。
【原因】
ウイルスの感染から起こります。コクサッキーウイルス、エンテロウイルスというウイルスが主になっています。
【感染経路】
感染者の咳やくしゃみの飛沫を吸い込む飛沫感染
手に付いたウイルスが口や目などに入る接触感染
便の中に一緒に排泄されるウイルスが口の中にはいっていくことの糞口感染があります。
【手足口病はうつる?】
保育園では集団生活で過ごすことが多く、子ども同士も距離が近いことからそこから感染経路を通して移ることがあります。発症してから1週間が最も感染力が強く集団生活の中ではうつる可能性があります。
個人差がありますが、大人が手足口病にうつると子どもよりも痛みが強くでます。
【治療法】
薬は無く、7日〜10日ほどで自然に良くなります。手足口病で出たぶつぶつの発疹はかさぶたになり消失します。
【手足口病は登園OK?】
目安として、熱が下がり、口の中の水疱の影響がなく普段通りに食事が取れるようになったら登園可能です。
公益社団法人 日本小児科学会 学校、幼稚園、認定こども園、保育所において予防すべき感染症の解説(2023年5月改訂版)24ページ参照
※対応は保育施設により変わってきますので、保育施設に一度確認してみてくださいね。
ヘルパンギーナ
【症状】
39℃から40℃の高熱が出て、上顎の粘膜や喉の奥に水疱ができる感染症の一つです。3日から6日間の潜伏期間のあと、発熱、咽頭痛、水疱がでます。喉の痛みにより食事を食べることが困難になり脱水症状になることもあります。
【原因】
エンテロウィルスやコクサッキーウイルスというウイルスに感染することで発症します。
【感染経路】
主に感染した人の咳やくしゃみから感染する飛沫感染
手に付いたウイルスが口や目などに入る接触感染
便の中に一緒に排泄されるウイルスが口の中にはいっていくこと糞口感染があります。
【ヘルパンギーナはうつる?】
ヘルパンギーナは感染力が強く感染経路からうつることがあります。
子どもからの二次感染で大人もまれにうつることがあります。
【治療法】
だいたい1週間で症状は落ちつきます。下熱のために鎮痛剤を使用するなどの対症療法が用いられています。また脱水症状になり得る可能性があるため、こまめな水分摂取も必要になります。回復後、1ヶ月は便からウイルスが排出されるため手洗いをしっかりしましょう。
【ヘルパンギーナは登園OK?】
感染しても出席停止になりません。
ですが、目安として下熱してから1日経過後、口腔内の水疱の影響がなくなり、普段通りに食事が取れるようになってから登園することが望ましいです。
公益社団法人 日本小児科学会 学校、幼稚園、認定こども園、保育所において予防すべき感染症の解説(2023年5月改訂版)25ページ参照
※対応は保育施設により変わってきますので、保育施設に一度確認してみてくださいね。
プール熱(咽頭結膜熱)
【症状】
39℃前後の発熱から喉の痛み、結膜炎による目の充血や目やになどの症状が3日から7日間続く感染症の一つです。
【原因】
アデノウイルスというウイルスが原因で発症します。
プールの水を介してうつることもあるため、プール熱とも呼ばれています。
【感染経路】
くしゃみによる飛沫感染
直接触れたり使用したタオルの共有などの接触感染があります。
【プール熱はうつる?】
プールの塩素消毒が不十分な場合に、プールを介して結膜炎や目の充血などの症状で感染することもあります。
【治療法】
特に薬はなく、5日程度で症状は回復してきます。目やにや結膜炎などは点眼をしたり対症療法があります。プール熱は喉から1〜2週間ほど、便からは1ヶ月ほどウイルスが排出されるので手洗いやうがいをして気をつけましょう。
【プール熱は登園OK?】
目安として喉の痛みや発熱症状などの症状が軽くなったり、目やにや目の充血がなくなり通常に戻ってから2日経ったら登園の目安とされています。
公益社団法人 日本小児科学会 学校、幼稚園、認定こども園、保育所において予防すべき感染症の解説(2023年5月改訂版)17ページ参照
※対応は保育施設により変わってきますので、保育施設に一度確認してみてくださいね。
三大感染症を予防するために日々の生活で気をつけること
誰でも感染症にかかったりうつったりすることは防ぎたいですよね。
防ぎたくてもかかってしまうときはかかってしまうのですが、日々の中でどんなことに気を付けていったら良いのでしょうか?簡単にまとめました。
手洗いうがい
手にはウイルスが知らない間に付着しています。また口の中にも空気中からのウイルスを取り込んでいます。
感染を防ぐためにもこまめな手洗いやうがいをすることで防止策につながるでしょう。
室内の清潔
外から色々なウイルスを付けて帰るので、室内にも菌が付着します。感染リスクのあるウイルスを知らず知らずのうちに室内の中で触って症状が出てしまう可能性もあります。
感染対策として、室内の消毒や清掃をすることで感染リスクが軽減されるでしょう。
また免疫力が弱っている時に、ウイルスなどは体内に入ってきやすく発症しやすいので免疫力を高めることも大切です。
保育園ではおもちゃやお部屋の消毒、換気をこまめにしたりすることがよさそうですね。
三大感染症にかかったあと保育園に登園する時は?
感染症は普段の風邪症状とは異なり、保育園に登園する際に気をつけることがあります。
症状の軽減
まずは、集団生活で過ごす場なので子どもの症状がどのくらい良くなっているかを観察しましょう。場合によっては,子どもの体力も奪われていてまだ調子が戻らないこともあります。そんな時は、体力が戻るまで無理しないようにしましょう。
登園許可書が必要?
感染症によっては、保育園に登園する時に医師に記入してもらう登園許可書が必要な感染症があります。
プール熱は、許可書が必要な場合がありますが、保育施設によっては登園許可書の有無が異なるので、確認しましょう。
手足口病やヘルパンギーナの感染症は保護者が記入する登園届というものが必要になる保育施設もあります。
あらかじめ確認するようにしましょう。
まとめ
夏に保育園でも流行りやすい三大感染症について症状や対策をお伝えしました。いかがでしたでしょうか?
この三大感染症は保育園に通っていると集団生活のためうつってしまう可能性があります。
この三大感染症の症状を頭に入れておくだけで、早く子どもの体調の変化に気づけるひとつになります。
夏は暑さで体力を奪われたり体調の変化も起こりやすい時期でもありますので、感染症を予防できるようにできることから始めてみましょう。
最後までご覧いただきましてありがとうございました。
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